9月5日、「起訴猶予処分」が確定しました。

9月5日、「起訴猶予処分」が確定しました。これは限りなく不起訴に近いもので、勝ち取ったと言えるでしょう。「起訴猶予」は、不起訴にしてしまうと警察の不当な逮捕であることが確定するので毎回苦し紛れにつけてくるものです。しかし、3名は一切何もしていないことは明らかです。警察は不当逮捕を謝罪し、二度とくり返すな!!
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被疑者の不起訴を求める意見書

被疑者の不起訴を求める意見書

2011年8月22日

東京地方検察庁 公安部検事
 木下 雅博 殿

被疑者 原宿署417番

上記の者に対する公務執行妨害被疑事件について、下記の通り意見を述べる。

弁護人   萩 尾  健 太
同    高 橋  右 京

意見の趣旨

被疑者について「嫌疑なし」ないし「罪とならず」として不起訴とすることを求める。

申告の理由

1 被疑者は無実であり嫌疑はない

(1)被疑者の警察に対する抗議活動の正当性

2011年8月6日午後、銀座、新橋等において、原子力発電所の即時停止、原子力発電から自然エネルギーへの転換等を訴えるデモ行進(以下「本件デモ」という。)が行われ、被疑者も途中からこれに参加した。同年3月11日に発生した東日本大震災の後、福島第1原子力発電所で発生した事故以来、今後日本が原子力発電を維持・推進するのか、撤退するのかは、国民にとって極めて重要な政治課題であり、かかる状況の下、本件デモが表現行為として極めて重要な意味を持つことは、貴職に対する同年8月16日付意見書においても述べたとおりである。

にもかかわらず、警察は、本件デモ中、参加者を隙あらば逮捕しようという姿勢で参加者を厳しく監視し、実際に、手などがわずかに警察官の身体に触れたなどの事実をもって、自主的に本件デモに参加した者2名を公務執行妨害で逮捕した。警察のかかる行為は、デモ参加者に対する見せしめとしか考えられず、言論弾圧という他ない。

被疑者は、かかる警察の暴挙に抗議するため、被逮捕者2名が収監された築地署を訪れ、決して同署敷地内に立ち入ることなく、同署敷地外から前記逮捕を抗議し、即時釈放を要求したものであり、被疑者のかかる行為が全く正当なものである。このことは、上記の被逮捕者2名が、後に勾留請求すらされることなく釈放されたことからも明らかである。

(2)被疑者には行為も故意もない

被疑者の正当な要求行為に対し同署警察官らは、「建侵(建造物侵入のこと)だ」と言って被疑者らの前に立ちふさがり、さらに、何度も手で被疑者らの身体を強く押した。

被疑者は、警察官らに対し、どこからが立ち入ってはいけない場所なのかを尋ねるために、人差し指を挙げたところ、同署警備課長警視景山肇が「建侵だ」と言って被疑者に掴みかかり、自分の腹部を、被疑者の指にわざとあてようとするかのように前につきだした。そのため、被疑者の人差し指が一瞬、景山警視の腹部に触れた。

その瞬間景山警視は何やら叫び、これに反応して、景山警視と他の警察官数名が被疑者をその場で組み伏せ、そのまま同署内に引きずっていき、被疑者を逮捕したのである。

このように、本件においては、被疑者が景山警視の腹部を、人差し指で「強く突く」などという事実は存在せず、真実は、景山警視がまず、建造物侵入として被疑者に掴みかかり、その際の意図的な作為により、被疑者の人差し指が景山警視の腹部に軽く触れただけである。

よって、被疑者による、公務の執行を妨害するような有形力の行使は一切無いし、暴行の故意もないのであるから、被疑者に公務執行妨害罪が成立しないのは明らかである。

(3)建造物侵入からの切り替えによる犯罪の捏造

そもそも、その後被疑事実とされなかったことからも明らかなとおり、犯罪が成立しない建造物侵入として景山警視が被疑者に掴みかかり、その際に被疑者の指が景山警視の腹に触れたことをもって公務執行妨害に切り替えるなど、犯罪の捏造も甚だしい行為と言える。

(4)被疑者の指突き出しでは公務執行妨害罪は成立しない

同罪の構成要件たる暴行は、公務員の職務の執行を妨害するに足る程度のものでなければならない(最判昭和33年9月30日、刑集12・13・3151)。

その点では、被疑者が行った行為は、景山警視の腹部に人差し指が当たったという程度のものであって、有形力の行使としては極めて軽微であり、到底、景山警視の職務の執行を妨害するに足る程度の暴行とはいえない。よって、公務執行妨害罪を構成しないものとも言える。

2 結語

以上のとおり、被疑者には犯罪の嫌疑は皆無である。被疑者は、起訴はもちろんのこと、仮に起訴猶予とされたとしても、捜査当局からは実質的に「犯罪者」扱いを受けることとなり、被疑者の名誉は著しく傷つけられる。

検察官は公益の代表者として、被疑者の受けた「犯罪者」というレッテルを雪ぎ、その名誉を回復するために、「嫌疑なし」(被疑者の黙秘のためその主観面を把握できないと検察官が判断しても「嫌疑不十分」)ないし「罪とならず」と明記した不起訴処分とし、被疑者を起訴ないし起訴猶予の不利益から直ちに解放すべきである。

以上

警視総監に対する事実の申告書

事実の申告書

警視総監 殿

2011年8月16日
被疑者 原宿警察署417号
弁護人 萩尾 健太

 刑事収容施設及び被収容者の処遇に関する法律231条1項3号の規定に基づき、警視総監に対し、事実の申告をなす。

申告の趣旨

被疑者を保護室から通常の独居房ないし雑居房に移換されたい。

申告の理由

1 保護室収容の経緯
 被疑者は、公務執行妨害の被疑事実で不当にも原宿分室にて勾留中であるが、本年8月13日夜8時30分ころ、突然、それまでの独居房から保護室に移された。
 その理由は、被疑者は留置直後から毎日当然のこととして、留置担当者に対し、食後の歯磨きのために歯ブラシの使用を要求してきた。8月10日には「動静処遇等に関する申出」の書面でも要求をした。上記同時刻にもその要求をなした。すると、留置担当者は、署内の「決まり」を口実にこれを拒否し、被疑者がこれに抗議すると、ビデオで撮影をし、被疑者が新聞紙を房の柵に張ってこれを阻止すると、突然多人数で房内に押し入り、本人を保護室へ収容したのである。

2 保護室における人権侵害
 保護室は、縦3m、横2m程度の極めて狭い部屋で、堅く冷たい床に寝具もなく、時計もなく、電気も終夜蛍光灯2本つけっぱなしであり、床に埋め込み式の便器の前にはついたてもなく、拷問そのものである。食事は箸も与えられず手づかみでありお茶や味噌汁がないなど、一般房との差別も甚だしい。週2回あるはずの風呂も無く毎朝の運動とひげそりも朝晩の歯磨きもない。ドアを閉め切られると全く無音状態で用事のために担当官を呼んでも一切返事がない。
 このような場所に収容されること自体が人権侵害であることは言うまでもない。
 その理由も、被疑者の抗議を押さえ込もうというものであり、極めて不当である。
 これ以上、保護室での拘禁が長引けば、被疑者が拘禁ノイローゼ等の症状に陥る危険がある。

3 被疑者の防御権の侵害
 被疑者は、8月17日に予定されている勾留理由開示公判に向けてその準備をしたいと考えている。しかし、保護室には書類も筆記用具も持ち込むこともできない。これは被疑者の防御権の侵害に他ならず、明白な憲法違反である。

4 まとめ
 よって速やかに被疑者を保護室から出されたい。
 速やかな措置が採られない場合は、弁護人としてさらなる法的手段を執ることを念のため申し述べる。

以上

中止→8月17日(水)15時から「勾留理由開示公判」を開催します!

8月17日(水)15時から、霞ヶ関東京地裁428号法廷にて、「8.6 原発やめろデモ!!!!!」後に築地署前で不当逮捕された方の勾留理由開示公判が開かれます。勾留理由開示公判は、本人と弁護士の陳述によって、裁判所に対して今回の不当な勾留の理由を問いただし、一日も早い釈放を勝ち取るための場となります。勾留されている方を励ますためにも、多くの方のご参集・傍聴をお願いします!

※釈放を受け、勾留理由開示公判は中止となります。かわりに報告集会を開催します。
http://d.hatena.ne.jp/nonukyuen/20110817/1313549591